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資金調達の相談先はどこ? 投資や融資など相談員が解説

はじめに 事業の立上、運転、発展、あるいは再生といった活動に際し、資金調達は欠かせないものです。しかしそのハードルは高く、熟練の経営者やCFO(Chief Financial Officer / 財務最高責任者)にとってさえ簡単ではありません。 本稿では資金調達のベテラン相談...

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Saturday, August 24, 2024

資金調達の相談先はどこ? 投資や融資など相談員が解説

はじめに

事業の立上、運転、発展、あるいは再生といった活動に際し、資金調達は欠かせないものです。しかしそのハードルは高く、熟練の経営者やCFO(Chief Financial Officer / 財務最高責任者)にとってさえ簡単ではありません。
本稿では資金調達のベテラン相談員が、資金調達の種類、資金調達の流れ、また困った際の相談先などについて、事例を踏まえながら解説します。

目次

  1. なぜ資金調達に相談が必要か?
  2. 資金調達の種類
    1. 投資(エクイティファイナンス)
    2. 融資(デットファイナンス)
    3. 助成金・補助金
    4. ファクタリング
    5. M&A
    6. IPO
    7. IEO
    8. 社債
    9. クラウドファンディング
  3. 資金調達の流れ
    1. 経営・事業目標の仮決め
    2. 第3者との壁打
    3. 事業計画書類の作成
    4. 資金調達先へのアタック
    5. 申請書類の提出、および契約
    6. 後処理、着金、定期報告
  4. 相談窓口の種類
    1. 総合系
    2. 投資系
    3. 融資系
  5. お悩み相談事例
    1. 相談事例① はじめの独立で資金繰りをどう考えるべきか分からない
    2. 相談事例② 投資での調達でVCや投資家との話合いがうまくいかない
    3. 相談事例③ IPOに向けて財務面をどう進めていくべきかわからない
  6. 困ったらここに相談

1. なぜ資金調達に相談が必要か?

一般的に、資金調達は経営者様の責務で、またそれを通して経営者様ご自身が成長することが必須とされてまいりました。
それ自体はその通りなのですが、例えばプロのアーティストやスポーツ選手であったとしても、傍には信頼できるコーチがいて、科学的な方法でトレーニングを行い、また様々なコンテンツから知識や技術を習得していくことでより効率的に成長するものでしょう。
資金調達も同様で、最終的にご自身で為されるにせよ、心強い相談先があることはプラスにはなれどマイナスにはなりません。
また経営者様の本来の仕事は戦略的な判断をすることです。何事も内容は理解しつつも、本質的でない作業に時間を取られてしまわないよう、常に誰かに相談しながら進めることが大事です。


2. 資金調達の種類

古来より事業を営むにあたっては資金調達が必須であり、その手法として様々なものが発明されてまいりました。ここでは現代において主たる資金調達方法の種類を、そのメリットやデメリットも踏まえて解説します。

投資(エクイティファイナンス)

自社の株式と交換に資金調達をする方法で、ここではVCなどの特定の第三者に株を発行し資金調達をする方法を主眼に解説します。 細かくは株主割当増資、第三者割当増資、公募増資、転換社債型新株予約権付社債などの方式があります。

調達可能額
数百万円~数十億円

対象者
スタートアップ(ベンチャー企業)
中小企業
大企業

調達先
VC(ベンチャーキャピタル)
CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)
PE(プライベートエクイティファンド)
エンジェル投資家(個人投資家)
事業会社(直接的な事業投資)

特徴
返済の必要がない点が最大の特徴です。また自己資本が増加し財務体質がよくなったり、株主を通して新たな人脈作りなども可能です。

留意
株の持主が増えるため、多量に分散すると経営権が希薄化していくことになります。また力を持った株主からの干渉が増える場合があります。

時間
方式や状況によりますが、一般的には数ヵ月程度かかります。

費用
株を発行する際の会計や法務面の対応、調達先への広報活動、株の発行手数料といった費用が発生します。

 

融資(デットファイナンス)

銀行等からの借入により資金調達をする方法です。公的融資、銀行融資、ビジネスローン(ノンバンク)などがあります。以前は会社破綻等に備えて経営者が保証人になることが必須なケースが多かったですが、昨今では中小企業でも経営者による保証が不要の場合も増えてきました。

調達可能額
数十万円~数十億円

対象者
個人事業主
スタートアップ
中小企業
大企業

調達先
政府・公的機関(日本政策金融公庫など)
銀行系(メガバンク・地銀・信用金庫など)
ノンバンク(消費者金融、クレジットカード会社など)

特徴
株と異なり経営権の希薄化がない点が特徴です。また利息は経費算入できるため節税効果があるとされています。

留意
元本の返済に加えて利息を支払う必要があります。また負債となるため自己資本比率の低下といった財務影響があります。

時間
小額であれば数日、金額が大きい場合2-3ヵ月以上かかる場合があります。

費用
利息、手数料、保証料といった費用が発生します。

 

助成金・補助金

官公庁や自治体が提供している助成金・補助金により資金調達する方法です。助成金は主に雇用や労働改善を目的としたものが多く、基本的に条件に合えば承認されます。補助金は新規事業、研究開発、地域振興などを目的としたものが多く、基本的な条件に加えて審査が入る場合が多くなっています。

調達可能額
数万円~数千万円

対象者
個人事業主
スタートアップ
中小企業
大企業

調達先
国(厚生労働省、経済産業省など)
地方自治体(都道府県、市区町村など)

特徴
返済義務がないため資金調達におけるリスクがありません。また得られた助成金・補助金によっては企業の信用が向上する場合もあります。

留意
手続きが比較的煩雑で、またキャッシュとして受給できるまで時間がかかる場合があります。補助金に関しては競争率が高く、受給できない場合があります。

時間
申請自体が特定の期間しか募集していないものがあり、またキャッシュとして受け取れるまでには数ヵ月から1年程度かかる場合があります。

費用
申請手数料、事務処理費用などが発生します。

 

ファクタリング

売掛債権をファクタリング会社に売却することにより、早期にキャッシュ化して資金調達する方法です。債権者とファクタリング会社間のみで契約する2者間ファクタリングと、債権者、債務者、ファクタリング会社の間で契約する3者間ファクタリングがあります。

調達可能額
数万円~数千万円

対象者
個人事業主
スタートアップ
中小企業
大企業

調達先
ファクタリング会社
ファクタリングを提供している銀行やノンバンクなど

特徴
売掛債権を即日から数日で現金化をすることができます。債務者の信用力が重視されるため、現金化をしたい債権者側の信用力はあまり関係ありません。また担保や保証人なども不要です。

留意
ファクタリングの利用が債務者側に通知される場合があります。また利用には書類の準備や手続きが必要となります。

時間
即日から数日で現金化できます。

費用
手数料、事務処理費用などが発生します。

 

M&A

事業の全部または一部を売却することにより資金調達をする方法です。合併するイメージが強いですが、全ての株を売却しても会社やブランドとしては存続したり、一部事業のみを売却して元の会社は残す方法などもあります。

調達可能額
数百万~数千億円

対象者
スタートアップ
中小企業
大企業

調達先
事業会社(直接)
M&A仲介会社の紹介 買収目的のファンド

特徴
売却することで多額の資金を得るに加えて、グループ会社化・合併により買収した企業側のリソースを活用してより事業を加速したり、シナジーを創出したりすることができる場合があります。

留意
買収した側の方針により、元会社のブランドが完全消滅したり、人員の整理が行われる場合があります。また売却後の経営統合(PMI:Post Marger Integration)がうまくいかないといったリスクがあります。

時間
一般的には1年程度かかることが多いとされています。

費用
基本的に買収する側が費用を出すため、売却側はそれほどありません。売却に至るまで会計や法務面、また株式譲渡の事務費用などが発生します。

 

IPO

株を証券取引所に上場させることで資金調達をする方法です。上場した株は機関投資家も一般投資家も購入することが可能で、大きな資金を得られます。

調達可能額
数億円~数千億円

対象者
スタートアップ
中小企業
大企業

調達先
機関投資家
一般投資家

特徴
多額の資金調達が可能な点が最大の魅力です。また上場により知名度と信用も向上します。

留意
上場に向けては審査をクリアするための内部統制の整備や外部監査などが必要で、時間とコストが多くかかります。また広く公開することから株主に対する対応も必要になります。敵対的買収といったリスクも発生します。

時間
通常は準備をはじめてから上場するまで2~3年程度必要になります。

費用
審査基準に則った人事、会計、法務などの社内整備、新株発行や上場に関わる手数料、投資家への広報活動費用などが発生します。

 

IEO

近年事例が増えてきた方法で、自社が発行した暗号資産(トークン)を暗号資産取引所に上場させることで資金調達をします。IPOに似ており、上場した暗号資産を機関投資家や一般投資家が購入することができます。

調達可能額
数億円~数十億円

対象者
スタートアップ
大企業

調達先
機関投資家
一般投資家

特徴
暗号資産の上場により多額の資金を調達できる場合があります。また上場により信用が向上する場合があります。

留意
IPOと比較し、取引所に支払う手数料が高額になる場合があります。またそもそものトークン設計が難しかったり、審査が比較的厳しいといったハードルがあります。

時間
すでにトークンを設計済みで発行の目途が立っている場合は、1年以内に上場できる可能性があります。

費用
会計や法務面の対応、投資家への広報活動、取引所への手数料といった費用が発生します。

 

社債

自社の債券を発行することで、銀行や投資家から資金調達をする方法です。債券と引換に資金を借入れるかたちとなり、利息を支払いつつ満期時に元本を返済します。

調達可能額
数億円~数百億円

対象者
中小企業
大企業

調達先
銀行
機関投資家
一般投資家

特徴
債券のため経営権の希薄化がありません。また調達時にコストが確定しているため資金計画が立て易いのも特徴です。利息は経費算入できるため、節税効果もあるとされています。

留意
一般的な融資と同様、元本の返済と利息の支払いがあります。また発行に至る手続きが比較的煩雑です。

時間
1年以内に発行できる場合が多くなっています。

費用
会計や法務面の対応、投資家向けの広報活動、社債の発行手数料といった費用が発生します。

 

クラウドファンディング

インターネットを通して不特定多数から資金調達をする方法です。資金調達の対価として差し出すものによって、寄付型、購入型、投資型、融資型があります。

調達可能額
数十万円~数億円

対象者
個人事業主
スタートアップ
中小企業

調達先
一般投資家

特徴
比較的手軽に資金調達できます。またプロジェクトの発足によりマーケティング効果を得られる場合があります。その結果、支援者が同事業のファンになる場合もあります。

留意
目標の調達金額に達成できるか読めない部分があります。またプロジェクトの準備や運営に一定の手間がかかる場合があります。リターンの提供にも手間やコストが掛かる場合があります。

時間
準備期間を含めて数ヵ月程度になる場合が多くなっています。

費用
発足したプロジェクトの広報活動、プラットフォーム手数料、リターンのコストなどが発生します。

 



3. 資金調達の流れ


資金調達は採用する方式によって詳細の流れが変わりますが、大きな流れは共通している部分が多くなっています。 それを踏まえ、ここでは典型的な資金調達の流れについてご説明します。

Step 1) 経営・事業目標の仮決め


まず最初に、今後の経営・事業の目標を仮決めしましょう。例えば5年後までに売上10億円を目指す、IPOを目指す、というようなマイルストーンや、その時の顧客数はどれぐらいで、それはどんな人達で、その時に人員はどれぐらい必要か、といったKPIなどを検討します。またさらに、そこに至るまではどのような活動をしていくべきかもイメージします。これらは一定決めの問題になりますので、自分がどうされたいか、他社事例やこれまでの経験を踏まえるとどれくらいになりそうかなど、感覚も頼りにしながらご検討されるのがよいかと思います。

Step 2) 第3者との壁打


経営・事業の目標や活動内容を仮決めしたら、詳細の資金計画を作りこんで決めてしまう前に、まずは第三者へ案を共有して意見を聞いてみましょう。これはなぜかというと、特に新規事業について考えている時、その夢から人間の脳はちょっとした興奮状態に陥るため、気を付けていても現実の市場から乖離した案を作成してしまうからです。その状態で実際の活動に入るとまず上手くいかないため、必ず冷静な第三者からの意見を聞きましょう。この時お話しする相手は、同じ業界に詳しい経営者、あるいは常日頃から様々な資金調達を手掛けている専門の相談員が良いとされます。なお、相談相手の意見をすべて鵜呑みにする必要はなく、冷静な意見と受け止めつつも、最後は自分の意志で判断するで問題ありません。

Step 3) 事業計画書類の作成


第三者からの意見も踏まえ経営・事業の方向性を決めたら、自ずと適した資金調達方法も見えてきます。そこで次の段階では、調達先含む様々な関係者に説明をしていくための、いわゆる事業計画書を作成します。 事業計画書は、大きくは事業概要説明資料と、財務系資料に分かれます。

事業概要説明資料:
  • 会社概要・沿革
  • 代表・メンバー紹介
  • マーケットトレンド・規模・狙いどころ
  • ビジョン・ミッション・バリューステートメント
  • 商品・サービス概要
  • マーケティング・営業戦略
  • 財務目標・KPI概要
  • 組織・人員戦略
  • 資金調達戦略の概要
  • クロージングメッセージ
  • 必要に応じて他
財務系資料:
  • 目標の損益計算書(P/L)
  • 目標の貸借対照表(B/S)
  • 目標のキャッシュフロー計算書(C/F)、または資金繰り表
  • 目標の資本政策
  • 過去の決算書
  • 必要に応じて他
事業計画書は調達先の関心事に合わせて作成することが重要です。例えば新規事業で投資を受けようとする場合、先の予測が立てづらく困難も多いことから、投資家やキャピタリストはその経営者の経歴や信念をとても重視します。一方、融資において銀行に相談する場合は、金利と共にきちんと返済がなされるかが最も重視されるため、財務系資料を作りこむことが重要になります。

Step 4) 資金調達先へのアタック


事業計画書を作成したら、調達先候補をリストアップして相談を開始しましょう。調達先候補のリストアップではその調達方法によって必要社数が大きく変わります。例えばはじめてVCなどから投資による調達を受けようとした場合、40社程度は相談することが必要と言われています。一方で公的機関や銀行等から創業融資を受けようとした場合は、それ専用のプログラムを提供している数社程度に相談すれば十分だと考えられます。

Step 5) 申込書類の提出、および契約


調達先候補と何度か相談して資金提供の内示を受けたら、審査のための必要書類を提出したり、契約の締結をしたりします。調達方法によって契約書のみで済む場合もあれば、銀行等であれば申込書、追加の債務情報、実取引の証憑など、複数の書類を求められる場合があります。

Step 6) 後処理、着金、定期報告


契約ができたら着金を待ち、また後処理を行います。ここで言う後処理とは、投資であれば株式の発行手続き、クラウドファンディングであればリターンの送付などが挙げられます。また投資家やVCから資金調達をした場合は、その後の進捗報告を定期的に求められる場合があります。



4. 相談窓口の種類

資金調達に関る活動はその難易度や複雑さから、全国各所に相談できる窓口が存在します。多数の種類の資金調達を取扱う総合系の窓口、投資関連のみを取扱う窓口、融資関連のみを取扱う窓口など、複数の種類があります。

総合系

投資や融資といった方式に関わらず様々な相談に乗れる総合的な窓口になります。資金調達は自社のニーズに合った方式を選択したり複合的に利用したりするものなため、まず最初はこちらにご相談することをおすすめします。

総合系の資金調達支援事業者:
投資、融資、助成金・補助金、IPO準備など、あらゆる資金調達の支援サービスを提供しています。会員登録などは不要で、一般的な質問等であれば無料で相談に乗ってくれます。

中小企業基盤整備機構:
経産省管轄の独立法人である中小企業基盤整備機構は、中小企業の経営に関する様々な情報提供やホットラインなどのサービスを提供しています。メールでの相談なども受け付けています。

商工会議所:
経産省管轄の商工会議所は、個人事業主や中小企業向けの経営相談、融資の斡旋、助成金・補助金の申請支援などを行っています。サービス提供を受けるためには会員になる必要があります。

投資系

投資による資金調達の相談は、主にVC(ベンチャーキャピタル)が窓口となって様々な情報提供をしてくれます。実際に投資による調達を行う場合には、他の投資家なども含めて調整を行うリード投資家としても活動してもらえる場合があります。ベンチャーキャピタルは独立系と非独立系を合わせ全国に300社以上あると言われております。

融資系

融資による資金調達の相談は、政府・公的機関系、都市銀行・地方銀行・信用金庫などの銀行系、ノンバンク系などがそれぞれ窓口を用意しています。中でも最も金利が安く頼りになるのが日本政策金融公庫で、個人事業主、スタートアップ、中小企業の融資ではまず最初に相談する先と言われております。



5. お悩み相談事例

ここでは、相談員に寄せられる典型的なお悩み事をいくつかご紹介します。

 相談事例① はじめの独立で資金繰りをどう考えるべきか分からない


ご相談内容:

これまでITコンサルタントとして働いてきており、独立して自社サービスを作っていきたいと考えています。しかし自社サービスを開発していくためにはエンジニア等を雇う多額の資金が必要で、またサービスをリリースしてもすぐに黒字にはならないかもしれないので、その間も会社を存続させ生活していくために、資金繰りを考えなければいけません。このような場合、特に創業期から事業が安定するまで、他の経営者様達はどのようにしてきているのでしょうか?

ご回答内容:

創業時と、一定サービスの開発が進んだ時で、分けて考えると良いと思います。
まずは創業時ですが、実はこの時点における資金繰りの選択肢はそれほど多くはありません。ずはり「自己資金」「先に別の仕事で利益を立てる」「創業融資」の三択です。
自己資金とはその名の通り、それまで自分で貯めてきた貯蓄です。しかし自己資金だけでしばらく賄えることができるケースは稀でしょう。
そこで次の選択肢が先に別の仕事で利益を立てることです。これは、例えばこれまで会社勤めでやってきたことを、今度は自分で他社から請負い、それで日銭を稼いでいくというやり方です。このやり方はリスクが少なく、また元々ITコンサルタントなどをされていた方であれば、仕事を紹介してくれるエージェントはたくさんいます。一方、日々の生活費を稼ぎながら開発資金を貯めるには相当の時間が必要になります。別の仕事をしながら設計開発をするといった形となるため、とれる時間は限られてくるでしょう。
そこで次の選択肢が創業融資の活用となります。その方の信用にもよりますが、創業融資では概ね500万~2,000万円程度を比較的容易に調達可能です。日々の元本返済と金利の支払は必要となりますが、調達した資金を活用して人を雇って時間を作ったりすることで、比較的早期にサービスを形作っていくことができます。
その後、一定程度サービスが形作られてきたら、VCやエンジェル投資家からの資金調達がし易くなってきます。実は最初からVCやエンジェル投資家に行く方法もなくはないですが、その段階ではサービスの形が見えておらず、投資する側も自信をもっての参画がし辛い状況になります。そのため一定程度形が作られてからの方が、投資による調達がし易くなります。
一度投資による資金調達ができたら、その後はサービスが順調に成長していけばより資金調達がし易くなります。こういった形で資金を繋ぎながら、黒字化を目指していくと良いでしょう。


 相談事例② 投資での調達でVCや投資家との話合いがうまくいかない


ご相談内容:

自社でSaaS系の新規サービスを開発しており、資金調達のためVCに相談しているのですが、厳しい言葉をもらって上手くいきません。説明資料には一般的に事業計画で必要とされる内容をすべて書き込んでいるのですが、この事業の良さや採算性などあまり理解が得られていない様子です。私はこれまで、事業会社やコンサルティング会社で何度も大きな予算を獲得してきました。さらに別の経営者からもアドバイスをもらいつつ資料を改善しています。にも関わらず、何度挑んでもあまり反応は変わりません。一体何が問題なのでしょうか?

ご回答内容:

これまで事業会社などで何度も社内の案件に関わり、予算を獲得してきた方から見ると、はじめてのVC、つまりキャピタリストとのやり取りではかなりギャップを感じることでしょう。
事業会社における予算は、その会社における他サービスとの相性であったり、財務上の投資対効果によって承認されるものです。しかしVCは、売上等の目標を見はするものの、実はそれが決定打にはなりません。不確実な新規事業においてそういった数字が信頼できるか、誰も分からないためです。そのためVCの視点からより重要なのは、不確実で困難な状況においてもやり遂げる力があるかどうかになります。それに納得感を持たせるためには、どうやってビジョン・ミッション・バリューを考えたか、また常人が行わない量の何かを熱量をもってこなしたかといったところが非常に重要となります。
もし資料を改善しているにも関わらずあまり反応が変わってこない場合は、そういった点を強く出していくように改善すると上手くいく場合があります。


 相談事例③ IPOに向けて財務面をどう進めていくべきかわからない


ご相談内容:

3年度にIPOを目指したく、そのための内部統制整備や外部監査対応などを資金調達しながら進めていく方針で考えています。しかし、どのタイミングで、どういった株主構成で、どれぐらいのバリュエーションで計画を組んでいくと良いか、あまりイメージをし切れていません。一般的な知識はある程度分かっているつもりですが、本当に合理的になるよう詰めていくための専門的な知識・経験が足りていないように感じています。またそれを補うためのCFOの採用も上手くいっておりません。このような場合、どうしたらよいでしょうか?

ご回答内容:

CFOの採用が難しい場合、外部の専門家からアドバイスをもらうのが良いでしょう。ただこの時に気を付けたいのは、そのアドバイザーが事業者様側の視点に立ってご相談に乗ってくれるかどうかという点です。
というのも、IPOへ向けては幹事となる証券会社や外部監査を行うコンサル会社が既に先んじて入っいる場合があり、そういった方々も財務やIPOに詳しいので色々と教えてくれますが、あくまで自身達の役割におけるアドバイスとなるからです。それらはもちろん非常にありがたい一方で、すべてが事業者様や経営者様にとって最も利益があるものとは限りません。
こうした背景から、特にIPOという巨額の資金が関わるお話しにおいては、CFOのように事業者様の利益と相談役の利益が一致していることが望ましいことになります。総合系の資金調達支援をしている事業者であれば、実質的な外部CFOの派遣といったことも行っておりますので、そちらにご相談することをおすすめします。


6. 困ったらここに相談

経営において資金調達は最重要テーマであり、様々な困難が待ち受けています。 そうした状況に対しては、幾度も経験を重ねてきた専門的な相談員が力強い味方となるでしょう。 資金調達について何かお悩み事に遭遇したら、まずはどうかお気軽に相談してみてください。
著者:土屋 敬悟 (Chief Executive Officer / DSDS Inc.)


Monday, August 19, 2024

解説:財務 - 有利子負債資本コストの求め方

有利子負債資本コストとは、企業が銀行などからの借入れや社債発行によって資金を調達する際にかかるコストのことです。

このような資金調達の際には企業は利息を払いますが、この利息率が有利子負債資本コストにあたります。
金利は税務上「損金」として算入されることで、課税対象利益が減額されるという節税効果があるため、
有利子負債資本コストの計算式は以下のように実効税率も加味したものになります。

有利子負債資本コスト = 「借入金利」×(1 -「実効税率」)

この指標はWACCの計算にも使用され、企業価値評価や投資判断の際に重要な役割を果たします。

新規事業/事業刷新の財務法務に関するお問合せはこちら:DSDS Inc. - 新規事業/事業刷新の財務法務

解説:財務 - 株主資本コストの求め方(CAPM)

株主資本コストとは企業が株主から資金調達する際にかかるコストのことです。

株主は株式を購入する見返りとして、一定のリターン(配当金や株価上昇に伴うキャピタルゲイン)を期待します。
企業にとってはこの期待リターンが株主資本コストとなります。

株主資本コストは一般的にCAPM(Capital Asset Pricing Model、「キャップエム」と呼ぶ)を使って計算されます。
CAPMの考え方では株主資本コストは以下の計算式で求められます。

株主資本コスト = 「リスクフリーレート」+ 「β」 × 「マーケットリスクプレミアム」

リスクフリーレート:リスクのない投資に対する期待利回り(国債利回り)
β:株式市場全体の動きと比較した際の対象企業の株価変動の大きさ
マーケットリスクプレミアム:安全資産(国債)と比較した際の株式市場全体の株式投資リターンの期待値

この指標はWACCの計算にも使用され、企業価値評価や投資判断の際に重要な役割を果たします。

新規事業/事業刷新の財務法務に関するお問合せはこちら:DSDS Inc. - 新規事業/事業刷新の財務法務

解説:財務 - WACCとは

WACCとは、"Weighted Average Cost of Capital"(加重平均資本コスト)の略で、企業が資金調達する際にかかる平均的なコストを表す指標です。

企業が資金調達を行う際に発生する利息の支払いや配当などの費用を「資本コスト」と呼びます。
資金調達の際に、株主からの出資と銀行等からの借入を組み合わせますが、
WACCはその加重平均(それぞれの重みを加味した平均)を使って求めます。
計算式は以下のとおりです。

WACC(%)= Ec ×{E/(D+E)}+ Dc × (1-t)  ×{D/(D+E)}

E:株主資本
D:有利子負債
Ec:株主資本コスト
Dc:有利子負債資本コスト
t:実効税率

企業はWACCを最小にするために、有利子負債と株式負債の割合を調整し最適資本構成を構築します。

投資家が企業に期待するリターンは、企業からの目線でみると資本コストとなるため、
このWACCの判断基準は企業価値評価や投資判断における重要な指標として用いられています。


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Saturday, August 17, 2024

資金調達の相談窓口(無料)を公開 - DSDS Inc.

DSDS株式会社(DSDS Inc.)は資金調達に関する無料の相談窓口を開設いたしました。
無料ご相談はこちらから:資金調達の相談窓口 - DSDS Inc.

資金調達は事業の立上・運転・発展において必須ですが、そのハードルの高さからここで断念される方も少なくありません。
そこでDSDS Inc.では、そのようなお困りごとのある方に向けて、無料にてアドバイスを行うサービスの提供を決定いたしました。

なぜ資金調達に相談員が必要か?)
従前より資金調達は経営者様の責務で、またそれを通して経営者様ご自身が成長することが必須でした。当社でもその考え方を是としてサービス提供しております。本来、経営者様は戦略的判断こそ最も注力すべきことです。資金調達はその最たるもので、経営者様が自ら独学で成し遂げていく道もございます。しかしどんな分野であれ、プロのコーチ・知識・ノウハウが傍にある環境の方が圧倒的に効率良く成長できるでしょう。また経営を担う者として、内容を理解はしつつも作業は誰かに任せるべきです。このような考え方から、当社は「経営者様の戦略的判断」「経営者様ご自身の成長」「本質でない作業の代行」という3つを主軸としプログラム設計しております。

ご相談の対象)
個人・ベンチャー・大企業等、どのようなフェーズの事業者様もご相談可能です。
投資(エクイティファイナンス)、融資(デットファイナンス)、補助金・助成金、またIPOへ向けてのご相談など、多くの資金調達方法についてご相談可能です。

サービスメニュー)
① 資金調達のアドバイス
② 資金調達先のご紹介(VC、CVC、銀行等)
③ 資金調達の総合支援(事業計画、面談対策、申請等)

実績等)
累計調達額 数十億円以上 ※当社法人化前実績含
平均調達額 数千万~数億円
紹介可能な調達先候補は1,000社以上

無料ご相談はこちらから:資金調達の相談窓口 - DSDS Inc.

Tuesday, August 13, 2024

解説:財務 - ROEとは

ROE(Return On Equity =「自己資本利益率」)とは、株主から集めた資本を使って、どれだけ効率的に利益を得たかを示す財務分析指標です。
ROEは以下の式で計算されます。

ROE(%) = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100

ROEが高いほど、企業は効率的に資本を活用して利益を上げていることを示します。
ROEは企業の収益性を評価するための重要な指標であり、特に投資家が企業の経営効率を判断する際に重視されます。

業種によって基準は異なりますが、一般的に、ROEが10%以上であれば投資価値のある良い企業であるとされています。
日本の上場企業のROEの平均値は、8~10%を推移しています。

投資家である株主にとって、ROEが高い企業は、より高いリターンが期待できるため、株価が上がりやすいといえます。
一方、ROEが低いと経営効率が悪いと判断され、投資家からの資金調達が難しくなることがあります。

新規事業/事業刷新の財務法務に関するお問合せはこちら:DSDS Inc. - 新規事業/事業刷新の財務法務

解説:財務 - ROICとは

ROIC(Return on Invested Capital = 「投下資本利益率」、「ロイック」と読む)は、 企業が投下した資金に対してどれだけの利益を生み出したかを示す指標です。
ROICは以下の式で計算されます。

ROIC(%)= 税引後営業利益 ÷ 投下資産 × 100

分子の「税引後営業利益」は、P/Lの営業利益からそれにかかる税金を控除したものです。
分母の「投下資産」は、直接事業活動を行うために投下した資産のことです。
言い換えると、B/Sの資産から直接的に営業利益を生み出さない「非事業用資産」を除いたものになります。

したがって、ROICは事業に投下した資本に対する儲けを表します。

自社株買い等により分母である自己資本を減らし、数値を良く見せることができるROEと比較し、 ROICは上記のような操作が出来ないため、より客観的な指標であると言われています。

新規事業/事業刷新の財務法務に関するお問合せはこちら:DSDS Inc. - 新規事業/事業刷新の財務法務

Monday, August 12, 2024

解説:財務 - ROAとは

ROA(Return On Assets =「総資産利益率」)とは、企業が投下したすべての資産を使って、どれだけの利益を得たかを示す財務分析指標です。ROAから企業の「資産の使い方の上手さ」を知ることが出来ます。
ROAは以下の式で計算されます。

ROA (%) = 利益 ÷ 総資産 × 100

利益については、当期純利益、営業利益、経常利益が、場面によって使い分けられます。
ROAが高いほど、企業は資産を効率的に使って多くの利益を得ていることを示します。逆に、ROAが低い場合は、資産の使い方があまり効率的でない可能性があります。

業種によってROAの平均値は異なるため、財務分析を行う際には同じ業種内で比較することが一般的です。
日本の上場企業のROAの平均値は、計算式の分子に当期純利益を用いた場合、3.9%(2018年)となっています。

<参考 - ROE>
ROAと混同されやすい指標としてROEがあります。ROEは、株主の資本に対する利益率を示す指標で、ROAは総資産に対する利益率を示します。どちらも企業の効率性を測る指標ですが、着目する資本の種類が異なります。

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Monday, July 8, 2024

解説:財務 - 減価償却とは

減価償却とは、資産の価値が時間とともに減少すると考えられる場合に、その資産を使用する期間(耐用年数)にわたって、購入額を毎期の費用として均等に配分する手続きのことです。

具体的には、以下のような資産が減価償却の対象となります:
- 建物、構築物、機械装置(パソコン、プリンターなど)
- 車両・運搬具
- 工具、器具・備品
- 無形固定資産(ソフトウェア、特許権など)

一方、以下のような資産は減価償却の対象とはなりません:
- 土地
- 歴史的な価値や希少性があり、代替が難しい古美術品、古文書、出土品、遺物
- 遊休固定資産
- 建設中の建物・機械装置など

減価償却の計算方法には主に「定額法」と「定率法」があります。
定額法では、資産の取得価額を耐用年数で割った額を毎年均等に償却します。一方、定率法では、資産の未償却残高に一定の率をかけた額を毎年償却します。
また、中小企業や個人事業主には、30万円未満の固定資産について一度に必要経費にすることができる特例があります。

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解説:財務 - 財務・会計における資産とは

財務・会計における「資産」とは、会社や個人が保有するすべての財産を指します。
これには現金以外の不動産、動産、権利など、現在価値があるものだけでなく、債権などの負債も含まれます。

資産は、現時点で金銭的価値があるものだけでなく、将来的に金銭価値が生まれるものを含めた、会社が保有する金銭に交換が可能な財産を指します。

会計上においては、資産とは、貸借対照表における左側に記載される「総資産」を指します。 また、総資産は「流動資産」「固定資産」「繰延資産」の3つに分類されます。

- 流動資産は、現金に加え、1年以内に現金化できる資産を指します¹。具体的には、現金、売掛金などが該当します。
- 固定資産は、資産の中で1年以内に現金化しない、またはできないものや、長期保有を前提としている資産を指します。 具体的には、土地、建物などが該当します。
- 繰延資産は、その効果が一時的ではなく末長く波及し続けることが想定され、税法上や会計上の観点から資産として計上したほうがよいと考えられる資産を指します。

これらの資産管理には、表計算ソフトや資産管理ソフト、会計ソフトに内蔵している資産管理機能を利用する方法があります。

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Sunday, June 30, 2024

解説:財務 - 現金主義、発生主義、実現主義の違いとは

現金主義、発生主義、実現主義は、会計処理における3つの基本的な考え方で、それぞれ費用と収益を計上するタイミングが異なります。

1. 現金主義:
現金主義は、実際に現金が受け取られたり、支払われたりした時点で収益や費用を計上する原則です。
つまり、現金の入金があった時に収益を記帳し、現金での支払いをした時に費用の記帳をするのが特徴です。

2. 発生主義:
発生主義は、経済的な事実や事象が発生した時点で収益や費用を計上する原則です。
たとえば、企業が商品を販売した場合、発生主義では商品の引き渡し時点で売上を認識します。

3. 実現主義:
実現主義は、収益が確実になった(商品の販売やサービスの提供が完了し、それに対する報酬が確定的になった)時点で収益を計上します。
これは収益の計上は、費用以上に取引の確実性や客観性を確保する必要が求められるためです。

日本の会計基準では、費用は発生主義で、収益は実現主義で認識するのが原則となっています。
また現金主義は、一定の要件(以下)を満たした個人事業主の場合認められます。
- 青色申告者であること。
- 小規模事業者であること。小規模事業者とは、その年の前々年分の不動産所得の金額及び事業所得の金額(青色事業専従者給与及び事業専従者控除の額を必要経費に算入しないで計算した金額)の合計額が300万円以下であること。
- 適用を受けようとする年の3月15日までに「現金主義による所得計算の特例を受けることの届出書」を提出していること。その年の1月16日以後に開業した場合には、開業した日から2カ月以内に提出する必要があります。

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Wednesday, June 26, 2024

解説:財務 - キャッシュフロー計算書(C/F)とは

キャッシュフロー計算書は、企業の資金の流れを示す重要な財務諸表の一つです。
具体的には、一定期間(通常は1年間)における現金等の増減を一定の区分で表示したものです。

キャッシュフロー計算書は以下の要素から成り立っています:

1. 営業活動によるキャッシュフロー: 企業が本業とする事業の運営によって、どれくらいの現金等が得られたかを表します。
2. 投資活動によるキャッシュフロー: 事業を運営するうえで必要な投資に関連して、現金等がどのように出入りしたかを表します。
3. 財務活動によるキャッシュフロー: 資金の調達や借入金の返済によって、現金等がどのように出入りしたかを表します。

キャッシュフロー計算書を理解することで、自社の資金繰りの状況を正確に把握し、経営改善に役立てることができます。
また、キャッシュフロー計算書は、企業の資金繰りの変化を把握するための重要な指標となります。

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解説:財務 - 損益計算書(P/L)とは

損益計算書は、企業の経営成績を表す重要な財務諸表の一つです。
具体的には、一定期間(通常は1年間)における収益と費用を計算し、利益や損失を把握することができます。

損益計算書は以下の要素から成り立っています:

1. 収益: 企業が得た収入です。これには商品やサービスの販売による収益が含まれます。
2. 費用: 企業が利益を得るために支出した費用です。
3. 利益: 収益から費用を差し引いた結果得られる金額です。

損益計算書の主な構成要素は以下の通りです:

- 売上高: 商品やサービスの販売による収益。
- 売上原価: 商品の仕入れや製造にかかった費用。
- 販売費及び一般管理費: 販売活動や管理業務にかかる費用。
- 営業外収益・営業外費用: 本業以外の活動で発生した収益と費用。
- 特別利益・特別損失: 臨時的に発生した収益と費用。
- 法人税等: 法人税、住民税、事業税の合計額。
- 当期純利益: 税引前当期純利益から法人税等を差し引いた最終的な利益。

損益計算書を理解することで、自社の経営状況を正確に把握し、経営改善に役立てることができます。
また、損益計算書は、企業の収益性の変化を把握するための重要な指標となります。

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解説:財務 - 貸借対照表(B/S)とは

貸借対照表は、企業の財政状態を示す重要な財務諸表の一つです。
具体的には、ある一定時点での企業の資産、負債、純資産の残高を一覧で示したものです。

貸借対照表は以下の要素から成り立っています:

1. 資産: 企業が所有する財産や権利です。これには現金、預金、有価証券、建物、土地などが含まれます。
2. 負債: 企業が支払うべき借金や義務です。
3. 純資産: 企業自体の資本です。これは株主からの出資や企業が稼いだ利益などから成り立っています。

貸借対照表の左側には資産が、右側には負債と純資産が表示されます。
そして、貸借対照表の基本的なルールは、資産の総額と負債と純資産の総額が一致することです。
つまり、以下の式が成り立ちます:

資産の部の合計 = 負債の部の合計 + 純資産の部の合計

このバランスが取れていることが、企業の健全な財務状態を示す一つの指標となります。
また、貸借対照表を分析することで、企業の資金調達状況や資金運用状況を詳しく理解することができます。

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Sunday, June 23, 2024

解説:財務 - 財務三表とは

財務三表とは、企業の財務情報を示す重要な3つの書類のことを指します。
それぞれ「損益計算書」「貸借対照表」「キャッシュフロー計算書」です。

損益計算書(P/L):
企業の経営成績を示す書類で、収益と費用を管理しています。一会計期間の経営成績を見るだけではなく、数年分の損益計算書を比較して事業計画を策定することもできます。 損益計算書に記載される収益と費用は、実際のお金の流れとは異なります。例えば損益計算書に記載される売上は、日本では実現主義と呼ばれ、前払や後払い等に関わらず商品やサービスが提供された時点で計上されます。法人税額等も損益計算書の結果により決定されます。

貸借対照表(B/S):
企業の財務状態を示す書類で、企業の資産、負債、純資産を管理しています。企業の財政状態や資金状況をまとめた、いわば企業の成績表のようなものになります。

キャッシュフロー計算書(C/F):
企業の資金(現金)の流れを示す書類で、企業がどれだけの現金を持っているのかを把握できます。キャッシュフロー計算書は、「営業活動」「投資活動」「財務活動」で分類されており、より分かりやすく現金の流れを把握することができます。 これらの財務三表を理解し、適切に分析することで、企業の財務状況や経営状況を評価し、将来のビジネス戦略を立てるための重要な情報を得ることができます。

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解説:財務 - 財務(ファイナンス)と会計(アカウンティング)の違い

財務(ファイナンス)と会計(アカウンティング)は、企業の経営において重要な役割を果たしますが、その目的と業務内容は異なります。

財務は未来のお金の流れに着目します。企業の資金を管理し、将来の成長や利益を追求することに焦点を当てています。具体的には、金融機関との融資交渉などを含む資金調達や予算管理を担う業務を指します。財務は、先を見据えたお金を管理する業務であり、企業の事業拡大時や未曾有の経済状況に陥った場合には手元にお金が必要となります。

会計は過去から現在のお金の流れに着目します。企業の経済活動を数値化し、その情報を記録し報告することに重点を置いています。具体的には、お金の出入りを帳簿などに記録し、社内外の利害関係者に報告する業務を指します。会計は、企業の財務状況を把握し、透明性を確保することが目的です。

以下は、財務と会計の主な違いです:

1. 目的:
財務は企業の資金を管理し、将来の成長や利益を追求することが目的です。
会計は企業の財務状況を把握し、透明性を確保することが目的です。

2. 業務内容:
財務は資金調達や予算管理など、企業の資金を管理する業務を行います。
会計はお金の出入りを記録し、社内外の利害関係者に報告する業務を行います。

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解説:財務 - 財務会計と管理会計の違い

財務会計と管理会計は、それぞれ異なる目的と対象を持つ会計の形態です。

財務会計は、企業の財務状況や経営状況を外部の利害関係者(ステークホルダー)に報告するための社外向けの会計です。これは法律上、すべての企業が行う義務があります。財務会計の目的は、決算日時点における企業の財政状態と経営成績を、外部の利害関係者に開示・報告することです。

管理会計は、経営者が自社の経営管理をするための社内向けの会計です。これは各企業が任意で行うもので、経営者が企業をマネジメントするために必要な情報をまとめた会計を指します。管理会計の目的は、経営者の意思決定に必要な情報提供を行うことにあります。

財務会計と管理会計は、どちらも狭義では「財務」ではなく「会計」に属する業務となります。
以下は、財務会計と管理会計の主な違いです:

1. 目的:
 財務会計は外部の利害関係者に対する情報開示が目的です。
 管理会計は経営者が企業の経営を効果的に行うための情報提供が目的です。

2. 対象者:
 財務会計は外部の利害関係者(投資家、債権者、税務署など)を対象としています。
 管理会計は主に経営者や管理責任を持つ従業員を対象としています²。

3. 法的義務:
 財務会計は法律によりすべての企業が行う義務があります。
 管理会計は法的な義務はなく、企業が任意で行います。

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