現金主義、発生主義、実現主義は、会計処理における3つの基本的な考え方で、それぞれ費用と収益を計上するタイミングが異なります。
1. 現金主義:
現金主義は、実際に現金が受け取られたり、支払われたりした時点で収益や費用を計上する原則です。
つまり、現金の入金があった時に収益を記帳し、現金での支払いをした時に費用の記帳をするのが特徴です。
2. 発生主義:
発生主義は、経済的な事実や事象が発生した時点で収益や費用を計上する原則です。
たとえば、企業が商品を販売した場合、発生主義では商品の引き渡し時点で売上を認識します。
3. 実現主義:
実現主義は、収益が確実になった(商品の販売やサービスの提供が完了し、それに対する報酬が確定的になった)時点で収益を計上します。
これは収益の計上は、費用以上に取引の確実性や客観性を確保する必要が求められるためです。
日本の会計基準では、費用は発生主義で、収益は実現主義で認識するのが原則となっています。
また現金主義は、一定の要件(以下)を満たした個人事業主の場合認められます。
- 青色申告者であること。
- 小規模事業者であること。小規模事業者とは、その年の前々年分の不動産所得の金額及び事業所得の金額(青色事業専従者給与及び事業専従者控除の額を必要経費に算入しないで計算した金額)の合計額が300万円以下であること。
- 適用を受けようとする年の3月15日までに「現金主義による所得計算の特例を受けることの届出書」を提出していること。その年の1月16日以後に開業した場合には、開業した日から2カ月以内に提出する必要があります。
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